Report

専門家を招いた研究会・分科会やオープンシンポジウム、その他の「Innovation Nippon」の諸活動において発出された提言書やとりまとめなどをご紹介します。リンクの表示されている各書類は自由にダウンロード頂けます。

研究会報告書

報告書「偽・誤情報、陰謀論の実態と求められる対策」
2023/5/19
[年間報告書]

報告書「偽・誤情報、陰謀論の実態と求められる対策」

偽・誤情報、陰謀論
報告書全文
 偽・誤情報、陰謀論
概要版

Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策、ビジネス慣行などに関する産学連携の実証的なプロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。

2022年度は、大きく分けて「誹謗中傷」と「偽・誤情報及び陰謀論」という2つのテーマで調査研究を行いました。本ページでは、その内偽・誤情報及び陰謀論に関連する「偽・誤情報、陰謀論の実態と求められる対策」の調査研究報告書を公表いたします。
※「誹謗中傷」に関連する調査報告書「わが国における誹謗中傷の実態調査」「ジャーナリストへの誹謗中傷の実態」はこちらのページで公表しています。

「偽・誤情報、陰謀論の実態と求められる対策」

本調査研究では、わが国における偽・誤情報と陰謀論の実態を詳細に明らかにし、各ステークホルダーに関する含意をエビデンスベースで導くため、アンケート調査分析やインタビュー調査を実施しました。本研究で導かれた提言は次の11点です。

総合的な対策
1.多くの人が偽・誤情報や陰謀論を誤っていると気づいておらず、継続的な啓発や有効な対策の実施が求められる
2.各ステークホルダーが連携した対策の推進が求められる
3.プラットフォーム事業者による偽・誤情報や陰謀論拡散防止のより一層の対策が必要
4.ファクトチェックの充実、及び、ファクトチェック記事を積極的に配信する施策の実装が求められる
5.陰謀論に傾倒している人向けに、専門家との丁寧なコミュニケーションの機会を設ける
6.マスメディアはより一層中立であると思われるような報道を心掛けることが、信頼度の向上につながる
7.大規模なメディア情報リテラシー教育の展開が求められる
教育・啓発
8.特に中高年以上を対象に、情報を疑うことの重要性や 情報の検証方法に関する啓発が必要
9.「政治的極端さ」が偽・誤情報や陰謀論への弱さに繋がることの啓発が必要
10.誤った情報を安易に(あるいは、面白いと思って)拡散することの危険性を啓発する
11.SNS上の情報や、身近な人からの情報であっても、誤っていることがあることを啓発する

【調査研究報告書執筆メンバー】
‒ 山口 真一(国際大学GLOCOM 准教授・主幹研究員) ※プロジェクトリーダー
‒ 谷原 吏(神田外語大学外国語学部 専任講師 / 国際大学GLOCOM 客員研究員)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOM 客員研究員)

【調査研究プロジェクトメンバー】
‒ 山口 真一(国際大学GLOCOM 准教授・主幹研究員)
‒ 渡辺 智暁(国際大学GLOCOM 教授・研究部長・主幹研究員)
‒ 谷原 吏(神田外語大学外国語学部 専任講師/国際大学GLOCOM 客員研究員)
‒ 大島英隆(国際大学GLOCOM 客員研究員)
‒ 井上絵理(国際大学GLOCOM 客員研究員)
‒ 田邊新之助(国際大学GLOCOM リサーチアシスタント)

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